仙台納骨堂の真言宗成田山国分寺インスタグラム

私たちの元で父を弔う

先祖代々の墓を母一人で守るのはもう限界、私たちの元で父を弔うのが最善の方法と思いました

隆志さん(47歳)・由佳さん(45歳) (仙台市在住)
故人 由佳さんのお父様 / 行年74歳
 由佳さんは、結婚して仙台在住となった後も北海道・小樽の両親と頻繁に交流する仲良し親子でした。そうした中、お父様はがんを発症し、家族に見守られながら74年間の人生を終えました。お葬式後、先祖代々の墓に埋葬しました。お母様がバスを乗り継いで小樽〜余市まで墓参りしましたが、体力的な限界を訴えるようになったのがきっかけで仙台の真言宗成田山国分寺・納骨堂に納めることになりました。由佳さんご夫妻は「母の負担を軽減できてよかった。きっと父も安心したと思います」と語っています。

墓参りも檀家制度も年齢とともに負担に

先祖代々のお墓があったそうですが。
由佳さん / 父の実家のお墓は北海道・小樽の隣の余市にありました。父は長男だったのでお墓を守り、生前は自分で車を運転してお墓参りによく行っていました。父が亡くなった後も、当然そのお墓に納骨し、母もバスを乗り継いで通っていましたが、体力的にだんだんきつくなっていったのです。とくに北海道の春のお彼岸は雪でお墓が埋まっている状態ということもあり、母が一人で行くのは大変です。それでも気丈に頑張っていたのですが、そのほかにもいろいろなことが持ち上がり、もうお墓を返そうと決心をしました。というのも、父の兄弟も口を出す割には、お墓を今後どうするかと言う話になると「知らない」という感じになってしまって。余市からお寺の住職さんが月1度来られて仏壇にお経を上げてもらっていたのですが、そうした檀家制度やお布施、割当られる寄付とかに対しても母は「重たく」感じて、おっくうになっていたようです。それで、思い切って住職さんと話して「お墓を返します」ということにしたのです。
お墓の処分にかかった費用は?
由佳さん / 全て母が対応してくれたので、詳しくはわかりませんが、お墓を解体するのに約20万円。そのほかに「お世話になりました」と、余市のお寺にお金を納めたそうで、相当かかったようです。
納骨堂を考えられたのは?
由佳さん / 実は、余市のお寺にも、永代供養する合同タイプの納骨堂ができていたのです。母は、お墓を返した後で、「合同の納骨堂に父のお骨を入れて、自分も入る」と言ったこともありました。しかし、合同の納骨堂では、知らない人と1つに入れられるので抵抗があったようです。「自分はそれでも構わないけど、お父さんをそこに入れて自分がお参りにいくのはね・・・」と言っていました。何となく歯切れが悪くて、「やっぱり誰かに見てもらいたいのだなあ」とその時、母の気持ちがわかった気がしました。「それじゃ、納骨堂を仙台で探そうか」と私が言うと、「そう?」と母の表情がぱっと明るくなったのです。母は父の遺骨を自分のそばに置いておきたいと思っていたので、少し意外でもありました。

お母さんの希望の「新しい納骨堂」へ

真言宗成田山国分寺との出会いは?
由佳さん / 「仙台で納骨堂を探そう」ということになりインターネットで検索して、見つけたのが真言宗成田山国分寺です。「新しい納骨堂」というのが母の希望通りだったのです。母にその旨を伝えると「あなたたちに任せるから」と言うので、早速、見学に来ました。遺骨を納めるところと、位牌を納めてお参りするところが別々なのも気に入り、即決でお願いすることにしました。父の一周忌を済ませてから、母が北海道から遺骨を持って一緒に納骨させていただきました。そこに至るまで本当にいろいろなことがあったので、本当にほっとしました。

ほかの納骨堂も見学したうえで決定した真言宗成田山国分寺納骨堂

他の納骨堂も見学されましたか?
 最初に太白区の納骨堂を見ました。すごくきれいでしたが、ネットを見ているうちに問題があるとわかりました。それで「お金を納めてから何かあったら困る」と思ったのでやめました。そこと宮城野区にもう少しで完成するという納骨堂がありました。交通の便も不便で家から遠かったのと、東日本大震災の時、津波がすぐ近くまで来ていた場所だったというのもあり、こちらも問い合わせもしませんでした。
 そうしているうちに真言宗成田山国分寺をみつけたのです。私たちが結婚前に出会ったのが千葉で成田山はよく行っていました。同じ成田山ということで親しみが湧きました。とはいえ、こちらにはまったく来たことがなかったので、最初来たときは、すごく急な坂で大丈夫かなと思いました。今ではなんでもないですが。

由佳さん / 私は子どもたちとバスに乗ってきたこともありますが、東北大学をいろいろと見ながらきて、すごいなあと思いました。見晴らしもいいし、「お父さんここに決めてよかったね」と心の中で言いました。
納骨堂を周りの方にもすすめたいですか?
由佳さん / 主人の実家の墓参りに行くのですが、天気が悪いと「早めに帰ろう」と思ってしまいます。こちらだと天候に左右されずいつも快適お参りできるので楽ですね。お墓と違ってお掃除もする必要もありませんし。それと本堂でお経を上げている声が聞こえるので、それもいいですね。
隆志さん / それが毎日ですから、本当にありがたいですね。
今のお気持ちは?
由佳さん / ホント満足しています。新しい納骨堂もできるらしいし、父の納骨堂をみていただきたいくらい。
戒名は?
由佳さん / こちらではいただいていなくて、余市のお寺の戒名のままです。位牌は母のところにあります。母の最近の悩みは、真言宗成田山国分寺が「真言宗」で余市のお寺は「浄土宗」。戒名も位牌も「浄土宗」でいただいたのをそのままでよいかということです。私は「いいんじゃないの」と思いましたが、母は、住職さんからきちんとお聞きしていないので、母が仙台に来るタイミングで住職さんとお話ししようと言っています。「ほかのお寺の戒名でも大丈夫ですよ」とおっしゃっているので大丈夫だと思いますが。位牌は母が自分の部屋で手を合わせているみたいです。
真言宗成田山国分寺の印象は?
由佳さん / 初めてうかがった時から、穏やかに、優しく対応していただき、とても好印象でした。それですぐ決めようという気になったのです。その後のやり取りもスムーズで、これまでいろいろあっただけにありがたく、肩の荷が下りる思いでした。

危篤から1週間後、家族に見守られての最期

生前、お父様はどんな方でしたか?
由佳さん / 物静かな人で口数少なく、読書やジグソーパズルが趣味でした。子ぼんのうでもあり、私たちを連れて帯広の親せきのところなどを車でまわった時はとても楽しかったことを覚えています。
隆志さん / 初めて実家を訪ねた時、私の緊張をほぐそうと一生懸命話かけてくれて、そうした気遣いがうれしかっですね。真面目で静かな人だと聞いていたのですが、一緒にボウリングをして盛り上がり、楽しい人でもありました。
由佳さん / 仕事が好きで、住宅の設備関係の会社で定年退職働後、第二の職場で70歳位まで働いていました。
隆志さん / 職人気質で腕もよかったので、あちこちから名指して仕事を頼まれていたようでしたね。
お元気で活躍されていたのですね。
由佳さん / ですから胃がんと診断された時は驚きました。定期的に検査もしていたのですが、かかりつけの先生が発見できなかったようで、診断された時は進行性がんと言われました。本人も告知を受けましたが「手術すれば大丈夫治るから」と言っていました。今思えば、私たちを心配させたくなかったし、自分もそう信じたかったのかもしれませんね。3月末に手術ということになったのですが、その間に東日本大震災が起きて、交通がマヒしていましたから手術の時に行けるかどうかもわかりませんでした。幸い羽田までの便が飛ぶことになり、羽田で乗り換えて小樽まで行きました。
最期はどのような状況でしたか?
由佳さん / ゴールデンウィークに家族で野球観戦に行こうとしていた時、母から「お父さんが危篤と言われた」との電話が入り、子どもたちを連れて小樽に駆けつけました。病院に行くと父は回復していて、久しぶりの孫たちとの再会を喜んでいました。その後、意識はなくなり、私と弟が交代でそばについていました。その日は私が実家にいて、子どもの日をケーキでお祝いしようと思っていたところ、弟から「お父さん容体が急変した」と連絡がありました。急いでかけつけると、足もむくんで、血尿も出ていて。痛みがあったのでしょう、苦しそうで見ているのがつらかったです。結局、5月6日に亡くなりました。「お父さん、ご苦労様でした。ゴールデンウィークみんなと過ごせてよかったね」と声をかけました。

孫も「はい!おじいちゃんきたよお〜」とお参り

お父様はお孫さんをとてもかわいがっておられたそうですが。
由佳さん / 私が初めて妊娠した時、双子だとわかり里帰り出産のために早目に小樽に帰ったのです。それで無事出産したのですが、一人は残念ながら生後3週間で亡くなってしまったのです。そんなこともあり、初孫だった長男を父は本当にかわいがって、よく面倒を見てくれました。2年後に生まれた次女が早産だったので、その時も両親が来てくれて、長男の世話をしてくれたので助かりました。こうしたことから、父の長男に対する愛情は特別だったようです。
隆志さん / かわいがっていた長男の近くに来ることができて、お父さんもきっと喜んでいると思いますよ。
今はどのくらいの頻度でお参りされますか?
由佳さん / お彼岸、お盆も命日、年末とか、年に4〜5回ですかね。母は家も処分して、今は小樽のケアハウスで暮しています。母は72歳、去年手術してから体調があまりよくないので、「お参りには行きたいけど、いまは飛行機に乗れないから行けない」と言っています。でも私たちがお墓を守っているから安心しているようです。長男と次女も「はい!おじいちゃんきたよお〜」という感じでお参りしています。
隆志さん / 家には生後3週間で亡くなった長女の仏壇もあるので、そういう仏事には慣れているので、怖いというような気持ちがなく、慣れたものでチン、チンならして手をあわせています。私たちがいなくなっても、長男が気にかけてくれたらと思います。もうどうするかはその時の状況でよいのではないかと思っています。母は「もう処分していいからね」なんて言っていますが、それほど納骨堂の護寺費が負担になるような金額ではないと思うので。長男も「いいよ」なんて言ってくれています。かまくら作ってくれたり、パズルをプレゼントしてもらったり、そういうおじいちゃんの姿が記憶の中で今も生きているのです。

これまでのお墓の概念を変える「納骨堂」

お墓に対する考え方が変わりましたか?
隆志さん / 今回のことでガラリと変わりましたね。子どもにお墓を残すと大変になるということがわかりました。そして、何よりもお母さんの負担が軽減されたことが一番よかったと思います。
由佳さん / 母の気持ちが楽になって、本当に良かったと思います。高齢になるとひとりでお墓を守って行くのは難しいです。母は時折「これでよかったのかしら」なんて思ったりしているようですが、現実的には一人で維持できませんから、「仙台で私たちがしっかり守っているから大丈夫だよ」と言うと「そうだよね」と安心した顔になります。
お父様にはどんな言葉をかけていますか?
由佳さん / 「お母さん一人で頑張っているよ」と報告が多いかな。
隆志さん / 「お店のこと、子供たちのことを見守ってください」と言っています。
由佳さん / 今年は3回忌を済ませました。次は7回忌。母は「もう行けるかどうかわからないよ」と気弱なことを言うので、「大丈夫よ」と励ましています。今回のことで主人にも、主人の両親にも快く同意してもらい、いろいろと支えてもらい、本当にありがたかったです。今は感謝の気持ちでいっぱいです。

仙台納骨堂に関するお問合せは下記にて承ります。

真言宗成田山国分寺
住所   :〒980-0845
       宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉33–2
電話番号 :(022)225–8640
FAX  :(022)225–8655
タクシー代は成田山で負担します。 納骨堂見学のため仙台市地下鉄東西線川内駅の北1出入口からタクシーで来山下さい。片道の料金を真言宗成田山国分寺で負担いたしますのでタクシー領収書を御持参ください。